舟状骨骨折

ブログ

ホームページをリニューアルして最初のブログ記事になります。

今日は舟状骨骨折について。
舟状骨は手首を構成している手根骨と呼ばれる8つの骨の一つで、船底の形に似ている事からその名がついたそうです。舟状骨は手関節の運動面で重要な役割を担っています。

(※患者様に画像の撮影・投稿に関して許可をいただいております。)

左舟状骨骨折(医師の確定診断あり)

12歳男児

主訴) 左手関節痛

受傷原因)自転車に乗っていて段差を超えようとして失敗し、転倒した際に左手を地面に衝いて負傷

所見) 腫脹+ 舟状骨結節圧痛+ スナッフボックス部圧痛+ 軸圧痛+ エコー不正像+- 

エコー画像です。落花生のような形にも見えるのが舟状骨です。

母指IP関節~前腕部中央までギプスシーネ固定し、
対診しました。

医師より、『舟状骨骨折』の確定診断あり、後療の同意もいただいたので、再度キャスト固定に切り替えました。

骨癒合を約40%早めてくれる低出力超音波【LIPUS】を患部に照射し、早期回復を図っていきます。医師の指示に従い経過を観察しながら5週後再度レントゲン撮影してもらう予定です。

考察)舟状骨骨折、これまでも数例経験ありますが、新鮮例ではレントゲン検査でもなかなか描出しにくいと言われている骨折ですが、単なる捻挫と間違えて見逃すと、いつまでも取れない痛みや、偽関節(骨がくっつかないままになる)を引き起こすと言われているので、鑑別には注意が必要です。患部に腫れは出ますが、それほど顕著なわけでもないので一見して捻挫・打撲と見間違いそうになるのも特徴です。スナッフボックス部の圧痛や軸圧痛が診られる場合は本骨折を疑った方がよいですね。

コメント